〈光を作る事 ミウラ折りの光のエレメントについて〉  

 

私はかつて平面作品において、光のマチエールを追い求めていました。そして、そのマチエールを立体造形で表現しようと試みてきましたが、思った通りの成果にはつながりませんでした。

ある日、ミウラ折りに出会い、ミウラ折りを使って作り出したエレメントを、針金で簡易に制作したフレームに挿してみました。

そこにあった光は、私が追い求めていた光のマチエールそのものでした。

私は、ようやく独自のマチエールを手にすることができたと思いました。とても感動的な出来事でした。

 

私にとって、光のエレメントが作り出す陰影や光は、画家の筆致や歌手の声と同じものです。

このマチエールを使って、美しい造形をたくさんの人に届けていきたいと思っています。

光は全てのものの存在を見る側に届けてくれます。

欄間の陰影、雪の光を受けた障子、仏像の瞳に埋め込まれた小さくて強い水晶の光、新生児が見つめる初めての光、春の海、夏の雲、秋の木漏れ陽、冬の空。

 

人の手では作り出すことのできない自然の美しさ。

その隣にこそふさわしい光であるように と願い、制作をしています。

 

光のエレメントを制作する行為が、私のアート活動です。

鳥が巣を作る様に私は光を作り、その時間、私は幸福の中に存在します。

 

いつの日か光のエレメントを無数に作り、大地や空や森、風景を制作したいと思っています。

びわゆみこ